以前、次の旅行の予定をざっくり書いた。
(こちら)
そこに1つ、加えたい国がある。
「ベトナム」だ。
先週から、この本を読み始めた。
- 愛人(ラマン) (河出文庫)/マルグリット デュラス
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フランス領時代のベトナムで生まれ、その地で少女時代を送ったマルグリットの自伝的作品。15歳の時にメコン河の渡し船の上で偶然出会った、金持ちの中国人青年との狂おしいようなあいの愛の経験が綴られている…
植民地においての、白い肌の女というのは、それだけで現地の男を退ける。
彼らは、白い肌の女には近づかない。
しかし、そんな彼女に近づいてくる唯一の男がいた。
大富豪の架橋の息子だった。
彼は彼女を高級リムジンで送り迎えし、やがてホテルに連れ込む。
彼女は、文章の中でこう語る。
「思えば私の人生はとても早く、手の打ち様がなくなってしまった。18のとき、もうての打ち様が無かった。18から25の間に、私の顔は予想もしない方向に向かってしまった。18で私は年老いた。」
なんと、自己愛の強い女だろう。
そして、そんな彼女に近づいたその男も、自己愛の強い男であったのだろう。
恐らく、当時のベトナムには、この自己愛の交錯がたくさんあったのだろう。
私は、なぜだか、その交錯に惹かれる。
そして、その交錯の跡地、
いや、現在もまた形を変え交錯しているであろうベトナムを、
一度訪れてみたいと思うのだ。