Suga Suga/Baby Bash
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先日、Online Radioを聞いていたら、
Suga Sugaが流れて来た。
久しく聞いていない歌だったが、聞いた瞬間、
あの、数年前、電気もガスもない島で数日間を過ごした日々が思い出された。
数年前、私は生まれて初めて、電気もガスもない島に行った。
もちろん、その島の周辺の島は電気とガスは一応あり、殆どの人はその島に住んでいるのだが、
何世帯かは、その電気もガスも無い島に住んでおり、私はその隣の電気ガスのある島と、無い島にそれぞれ数日づつ滞在した。
ちなみに、電気、ガスがある島と言っても、200世帯程の小さな島だ。
色々な事情があって、友人と2人で訪れたのだが、訪れてすぐに私たちはとんでもない事実に気がついた。
言葉が通じない…
私はそもそも戦力外だったのだが、私の友人はその国の言葉が使えたので、何の不安もなく向かったのだが、
そのガスも電気もない島では、どうやら方言、それもなまりではなく、かなり強い単語自体が違うもの、が使われており、
私たちは当初の目的を果たせるのかすら分からない状態になった…
島の人たちは、とても気さくな人で、
よく分からない言語を喋りながら、よく分からない木の実を持って来てくれたり、よくわからない葉っぱを肌に塗れと言ってくれたりした。
でも、彼らの生活はそれはそれは私が今まで育って来た環境とは違い、
起きる→食べる→漁に出る→食べる→だらだらする→セックスする→食べる→だらだらする→セックスする→寝る
というもので、なんだか私は滞在1日目で…
彼らのあまりの食欲、性欲、睡眠欲に支配された生活に…
呆れた。
「もう、ここは適当に過ごせば良いや。当初の目的も果たしたし、後は本でも読んでだらだらしてよ」と思い、ipodで音楽を聴いていた。
しかし、友人は必死に島人とコミュニケーションを取ろうとし、
島人に差し出された、明らかにお腹を壊しそうな木の実を食べ、よく分からない葉っぱを肌に塗っていた。
結局、私は滞在最後まで、ひとりでだらだらと過ごしていたのだが、
滞在最後の日の夜、
外から、大勢のSuga Sugaの合唱が聞こえて来た。
電気が無い、この島において、人気の音楽に触れる機会は皆無だ。
Suga Suga など島人が知っているはずがない、そして、私がこの歌が凄く好きだと知っているのは、一緒に行った友人ひとりのはずだ。
小屋を出て、その歌声の方に行ってみると、
友人を中心に島人たちが、手を叩き、腹を叩き、リズムを取りながら、この歌を歌っていた。
私とその高卒の友人はその島に着く直前に、
学歴的なトピックから口論になり、3日程口すら聞いていなかった。
しかし、
あの光景は、私に、
学があるかないかは、決して、人生を楽しめるかどうかには相関しない、という当たり前のことを再確認させてくれた。
学があると、別の世界を見れるかも知れない、というだけで、
人生を楽しめるかどうかなんて、学という尺度とは全く違うものだったのだ。
当たり前のことだが、私は、忘れかけていた。
Suga Sugaを聞きながら、あの島で過ごした数日間に思いを馳せて。
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ものさし
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